今日、11月22日からユニクロの感謝祭が始まることをwebで知る。
この時期は、晩秋から初冬へと移ろうとする季節がら、タンスの中の冬服のあれこれを「いつもと同じ」で済ませるか「おニュー(死後)」にするかの仕訳のような選択を迫られることになる。そうあの選択をする季節だ。
思案するにあたっては、昨今の断捨離というキーワードが私の判断を濁らせているような気分にさせられる。「物を大切に」という埃を被った価値観と「いらないものは捨ててスッキリしましょう」というおニューな考えは、やはりかち合っていないのかもしれない。いや折り合いをまだ見つけられていないと行ったほうが適切か。
冬場の国民服と言っても差し支えがなくなったユニクロの化繊のヒートテックは、ストレッチ機能と言えば聞こえがいくらかマシになるのだけれど、正直に言って1-2年でデロデロに伸びていく一方だ。
毎年適度に買い替えてはいるものの同じようなグレーやベージュの色が同じようにタンスに収まっているから、何年モノのヒートテックかを判読するのがこれまたなかなか難しい。これを化繊の伸び具合から一瞬で判別できるのなら、ヒートテック検定1級と言ってもいいんじゃないだろうか。
悪辣めいてみても肌着だから伸びたところでそれはそれで済ませることもできるから、生活に困ることは実は少ない。
となれば、どこまで伸びるものなのか、伸び切ったラーメンと経年劣化のエイジングを見比べてみたい気もする。伸びたラーメンも栄養価は変らないけど伸びた分だけ満足から離れるからわかりやすい。その一方で伸びたヒートテックの満足度ってどのくらい減るものなんだろうか。
ウイスキーが12年かけて手に入れる熟成のようなポジティブなエイジングをするものが少ない中、年月を経る経年劣化を味わいと捉える事には中々の難しさがある。
ほつれた服にアップリケをつける事自体が、生活の智慧ではなくなり、買った方が早く安く美味くそれこそが智慧とされる価値観へシフトしつつある時代の頃合いだから、一層折り合いをつけづらい。
この辺り「適度に」という辺りが落としどころなんだろう。
まあ新しいヒートテックを買った日にタグにマジックでその日付でも書いておけば、ヒートテック検定2級くらいは取れるかもしれないし、少しはモノを大事に使うきっかけとなるだろうか。
せめてそれくらいの生活の智慧は持っていたいものだ。