2024.04.02
ここ2,3日の間に庭先のチューリップが一気に花開く。
切っ先をいった最初の一輪の開花から、わずか3日の間に六輪目までが咲き、「少し会わないうちに大きくなって。」という親戚のおばさんの気持ちになるのだった。
都心の桜も週末を挟み五分咲き程までとなり、先週の金曜日にぽつぽつと咲き始めたはずの桜の姿を見ると「ついこないだ生まれたばかりなのに。」という親戚のおばさんみに再びおそわれることなった。
このおばさんみ、若く勢いのあるものの時間の進み方に驚いてしまう。ともすれば遅れをとってしまうというのがその正体だと思っていたのだけれど、実のところは、違っていたのかもしれない。
目をかけ、気をかけ、暖かく見守る。
水をやったり、肥料をあげたり、そうして長い時間をかけて花が咲くのを自分が待ったように、今まで自分もそのようにおばさんに見守られていたのではないかと、今年訪れた春を見て思わされる。
花開くのは、そのモノのその人の実力として、それを手放しに喜べるような親戚のおばさんの優しさやおおらかさを私もなぞっていけば、遅れを取りそうな春先に掛ける言葉にも彩りが添えられそうだ。