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自分の住んでる街を舞台にした小説が読んでみたいと思ったので言い出しっぺの法則で書いてみる。
地域文学、ローカル文学という新しいアプローチ
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十太夫近隣公園のこうもり傘と黄色いバケツ
傘を広げた子の彫像のある広場で高校生とおぼしき制服姿の男の子と女の子が話している。 「俺さ、こうもり傘で空を飛んだことがあるんだよね。」 ねずみ色のブレザーとチェックのパンツを履き男子高校生が突拍子もなく言うと、肩紐を長く落としたバックパックを背負いヘアピンを上手に止めて額を見せる快活な女の子が、微笑みながらあいづち... -
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下り坂に上り坂
2021.11.27 晴れ 下り坂 少しずつ少しずつ11月下旬から取り掛かり始めた今年の大掃除と大処分市は、早くも1回目の粗大ごみを車にとっとと積んで流山クリーンセンターへ向かう程には順調に進んでいる。 今までもったいないけど売るほどでもないと思っていたモノも今年始めたメルカリでへの出品であらかた売ることができたのは、今年らしい新た... -
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日曜、夕方、プリントのお知らせ
金曜日の午後から微かに香り、土曜の夜にピークを迎えたた週末の匂いがアフターノートになりはじめる日曜夕方、テレビから流れる愛すべきマンネリのメロディが週末の終わりの鐘を鳴らす頃、下の娘がバツの悪そうな顔をして声を掛けてくる。 「実は大事なプリントを渡すのを忘れちゃってました。」 日曜、夕方の静けさと穏やかさを切り裂く「... -
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自転車置き場の夜
夜、駅に着くと私の一日の終わりがやってくる。 改札をタッチする「ピッ」が、自転車の鍵を開ける「カシャ」が、そっけのない「おかえり」を知らせる。 「ただいま」と口に出しては言わないけれどいつか自転車のベルを「チャリンチャリン」と鳴らして応えてあげたい。そう思いながら、自転車置き場で私はいつも「トントン」と2度だけベルをつ... -
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第2話 東口の看板
第1話 北口の瞬足 続き 結局母さんは、家のマンション前の水たまりをスタートしてからゴール地点となるおおたかの森駅前の塾までの道中、一度もぼくにその先頭の座を明け渡すことはなかった。 あれは、きっと母さんが水たまりを飛び越えたときに勝負が決まったんだと思う。それはとっさに水たまりを飛び越えた母さんとキラキラに見とれて躊... -
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早起き
目が覚めてしまった。時計に目をやると長い針と短いが一筋の線を描いている。ああ6時か。時計を目にした一瞬で今見てた夢の続きを忘れてしまった。あの続きなんだったっけ?思い出そうとしても目が冴えてくるばかりでどうも夢心地には戻れそうもない。 休みなんだからもう少し毛布にうずくまっていたかったのに目が覚める時間は平日とさして... -
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第1話 北口の瞬足
もうすぐ、近くに新しいスーパーがオープンする。 「工事してる時からずっと待ち望んでいるんだよね」と母さんに言ったら、「今時、期待を持って待ち続けるっていうのは、とってもお金がかかるし、我慢することも多いものなのよ」とぼくの話を聞いてくれているのかよくわからないあてずっぽうの返事をされた。 少し遅い朝ご飯をかきこんで「...
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