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早起き

Novel
それは城塞都市のようで
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目が覚めてしまった。時計に目をやると長い針と短いが一筋の線を描いている。ああ6時か。時計を目にした一瞬で今見てた夢の続きを忘れてしまった。あの続きなんだったっけ?思い出そうとしても目が冴えてくるばかりでどうも夢心地には戻れそうもない。

休みなんだからもう少し毛布にうずくまっていたかったのに目が覚める時間は平日とさして変わらない。今日はまだ目覚ましも鳴ってないっていうのに。まったくもう。偉い神様すら休んだ安息日をこれでもかと堪能してやろうと思う慈悲深さが私には無いのかを問いつめたい。ねえ、これが月曜なら絶対ギリギリまで寝てるでしょ?私さあ。しかも多分絶対かなりの確率で。

だのに体は正直で今日という日に何か新しい期待をしている。いやその淡い期待もわかるんですけどホント馬鹿みたい。パブロフのと一緒じゃない。いつも通り目が覚めちゃう自分のおめでたさにまた愚痴の一つでも言いたくなる。

今日みたいな日の外はきっと寒いだろう。かじかむ指先を想像すると身震いがするのに、期待のほうが膨らんできてしまう。

カーテンの奥は朝焼けのオレンジをまとい始めている。お天気は良さそうだし、朝陽を浴びるのは気持ちいいもの。やっぱり散歩に出かけましょ。もちろん主人も一緒に。待たされるのは慣れてるから、これから主人を起こして準備したって日が沈むまでは時間はかからないでしょ。さあ起きて。

「ワンワン!ワン!(起きて起きて!)」

『飼い犬』

 

たまには早起きはいかが?

 

 

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