冬枯れの坂川に流鉄を添えて ラン15.5km

Nagareyama Run Tourism
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毎年正月を過ぎてしばらくの間は体重計に乗ることに自主規制を掛けていました。贅を尽くしたあの楽しい休暇の日々が今月のことだなんて未だに信じられないとは思うものの、身体は正直なものです。規制をかけた体重計に乗らずとも贅を尽くした結果が「ヤバいことになっている」のは、日々履くパンツの足通し、シャツの腕通しに現れて現実の過酷さを突きつけてきます。

「冬でも走ろう」

心が折れてしまわぬように避けていた体重計に再び乗れたとき、ひと回り大きくなった私の脂肪とともに年中ダイエットの覚悟は復活し、冬枯れの季節を進む燃料へと姿を変えます。まあそんな日常が戻ってきたと思うのが私にとって大寒の頃なんでしょう。

コースメニュー

正月太りからのダイエット決意をざっくり説明したところで本題です。週末日曜の朝、ダイエットのために流山市内を走ってきました。その距離は約15km。

おおたかの森駅至近の所の十太夫近隣公園をスタートして、おすわさま、八木を抜けて坂川へ。その後坂川沿いに宮園を進んで坂川を渡る流鉄を眺めるのがコースのハイライトです。流鉄を眺めた後、流山橋まで出て江戸川沿いを北上し、新流山橋の建築地で堤防から外れ、茂呂神社、流山警察署を抜けて元の十太夫近隣公園へ戻るコースです。

この時期はどこもかしこも冬枯れの時期で、冬らしい霜柱や遅い夜明けを楽しむのも冬のランのお楽しみになってきます。

スタートはいつもここから。十太夫近隣公園

早朝訪れた十太夫近隣公園。公園の落葉樹は、そのほとんどすべてが葉を落とし冬らしさを感じさせます。夜明け前の仄暗さから微かな夜明けのオレンジが霜の降りた原っぱに射すさまは、よい一日の始まりを予感させるにはピッタリです。それはまるでフルコースの始まりを告げる前菜のようでもあり、「冬枯れの小枝と夜明けの冷製霜仕立て」にふさわしい光景が眼前に広がります。さあ「冬でも走ろう」ランのスタートです。

十太夫近隣公園

 

3km付近 落石注意の流山マーク

おおたかの森からのおすわさまをショートカットで抜け八木の谷津田へと降りて行くと、落石注意の看板へと出てきます。

落石注意

市内では中々見つけるのが難しいこの落石注意のマークを「流山マークや!」と言い張るおじさんのテンションが上がる頃、走り始めた体もまた温まり出します。それはまるで熱々のスープ「サプライズにお熱をあげて」を飲んだかのよう。このマークを召し上がる際はくれぐれも頭上にはご注意のほどを。

「流山マーク」の交通標識発見される
年末のはじまりはじまり 流山に移り住んでいくばくかの歳月が過ぎ去りました。この間、のんべんだらりと生き長らえたというべきか、結婚、子の誕生、オムツ替え、入園、入学と迫りくるライフイベントをつつがなく乗り越えたというべきか、視点をどこに置くか...

4km-7km 坂川トレイルと言う名のあぜ道をゆく

走行距離4km程で坂川にかかる富士見橋に出てきます。この富士見橋、その名の通り富士山を見つけることができますからその名の偽りの無さにちょっとした感動を覚えます。

富士見橋から富士山は見えまぁす。
ちょっと調べてみたいことがあったら、ネットで検索すれば大概のことがわかる便利な世の中となりました。一方で辞書を引く手間すら無くなってきたことは、自力さ故の苦労も無く味気が無いとも言えるのかもしれません。 先日、流山近隣で観測できるダイヤモン...

そしてここから先は、しばらくの間この坂川沿いを走っていきます。流山側の川沿いすぐの緑道は無舗装のためちょっとしたトレイル感があり、私的には「坂川トレイル」と呼んでトレイルランっぽさを楽しんでいます。

坂川トレイル

 

あぜ道を坂川トレイルと言い張ってはみたものの川沿いすぐの遊歩道は、あまり人にはおすすめできません。もう一本隣の沿道か、反対側(運転免許センター側)を行くのがベターです。「これこそトレイル」の思い込みがなければ、ただの走りづらいあぜ道ですから。

その粗野で野生を剥き出しにした様は、魚料理「坂川トレイルにリグレットを添えて」のようでもあり、そのリグレットがいささかビターすぎる個性的な味わいがあります。

この橋を渡った先は松戸市

 

八木橋を超えると道も踏み固められ生い茂る草木が減った分、走りやすくなってきます。この辺りから川沿いの通行量も少し増え宮園の住宅街へと入ってきます。

文教地区らしい宮園へ

一体はかつて東洋学園大学流山キャンパス(現同大スポーツ施設)があることに加え、比較的広めの戸建住宅が多いことから私的には文教地区のイメージがあります。付近には「KEIHOKU」でおなじみの高級スーパー、京北スーパーがあったりしてちょいといいとこの雰囲気があります。

坂川沿いを中心に程よく開けた空は実に郊外らしくいて主要な国道、県道からも適度に離れていることからロードサイドの騒々しさもないのんびりとした風情があります。

宮園の緩やかなカーブ。奥手は東洋学園大学

 

7km 坂川と新坂川の分岐点で流鉄を臨む

東洋学園大学を過ぎた後も坂川沿いから離れないように足取りを進めると、坂川と新坂川の分岐点にして坂川を渡る流鉄を眺めることのできる名スポットへ辿り着きます。

坂川と新坂川の分岐点

 

写真の左右に坂川が流れ、流鉄に沿って新坂川が流れています。流鉄の橋がちょうど川の流れの別れる分岐点となります。坂川を渡れば松戸市へと入りますので市境ともなります。

坂川を渡る流鉄

ここでしばらく待つとやってくるが、本日のメインディッシュ。

そのメニューの名は「冬枯れの坂川に流鉄を添えて」
待つ甲斐のある素晴らしい光景です。自力で7km走ってきた分感動もひとしおですし、それまでの疲れが吹っ飛ぶようなパンチの効いた肉料理のうような勢いがあります。言葉の必要のない「良さ」が眼前の光景に広がっていきます。
流鉄を収めるには非常によいスポットにもかかわらず、TX沿線、野田線住民からは微妙に遠い場所にあることから知る人ぞ知る隠れた名店の佇まいがあります。

12km 新流山橋工事中

目的を達したのち県道280号に出てそのまま流山橋まで出ると走行距離を10kmを越えてきます。ここから江戸川の土手沿いへ出て北上してさらに2km、距離としては12kmを過ぎたころ、江戸川土手沿いには新流山橋の工事の風景が飛び込んできます。

新流山橋の橋脚工事

 

早期の開通が乞われる新流山橋は2023年の開通予定。後3年程の時間がかかる予定です。そうすると今まさに工事をしているこの光景もせいぜいこの先1-2年しか見れないものだと思うと工事風景そのものが刹那的なものに思えてきます。瞬間瞬間の変わりゆく姿は、工事中だけのもので不可逆的なものだということの気づきを得られるシーンです。

今日のコースの締めにふさわしいこの光景は、薫るデザート「Now or Never」
日々その一瞬は余韻を楽しむ間もなくトップノートのように瞬く間に消えては行くものの、未来へ続く淡い期待はベースノートそしてラストノートとして色濃く残る。この光景にはそんな一瞬と永遠がマーブルのように混在する香しさがありました。

今日のコース、冬を走るコースとしてどなたかの参考になれば幸いです。

「フランス料理は何かと添えがち」
流山すみずみ
https://nagareyama-sumizumi.com/

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