渋谷ヒカリエ8Fでd design travel CHIBA EXHIBITIONが開催中です。
開催場所は渋谷ヒカリエ8F
期間は2018年2月16日から4月1日
ありがたいことに入場無料となっています。
主催は、D&DEPARTMENT PROJECT。
D&DEPARTMENTとは
D&DEPARTMENT PROJECT とは
D&DEPARTMENT PROJECT(ディアンドデパートメントプロジェクト)は、2000年にデザイナーのナガオカケンメイによって創設された、「ロングライフデザイン」をテーマとするストアスタイルの活動体です。47都道府県に1か所ずつ拠点をつくりながら、物販・飲食・出版・観光などを通して、47の「個性」と「息の長い、その土地らしいデザイン」を見直し、全国に向けて紹介する活動を行っています。
47都道府県のデザイン観光ガイド『d design travel』
47都道府県それぞれにある「その土地に長く続く個性」や「らしさ」をデザイン的視点から選び出し、年間3冊、1冊につき1県を特集したガイドブック『d design travel』を制作しています。
千葉の観光をデザインする企画展
今回この展示が開催されたのは、我らが千葉県を取り挙げたd design travel 千葉の刊行の記念となります。このd design travelが普通の観光ガイドと違うのは「デザイン」にフォーカスしているということ。
またそのデザインも一過性のものでなく長く続くロングライフデザインをテーマに掲げられていることもあり、過度に飾らず、その土地のらしさをそのまま取り上げるという思想を持って編集されています。
世の中面白い事を考える人がいるものだという興味と感心に加え、生まれも育ちも千葉生まれの私が渋谷で時間を持て余す幸運にも恵まれましたので今日はヒカリエで開催中のd design travel CHIBA EXHIBITIONに行ってきたレポートを写真中心で簡単にお届けします。
今回の表紙は、千葉県出身のイラストレーター安西水丸さんの作品が使用されています。
今回の展示で特集されている地域には、わかりやすくピンがさされていました。
読み物自体はその内容、取材の深さに千葉が好きな人ほど唸りをあげたくなるほどにディープでいて地域に寄り添った内容になっています。当記事上では、触れきれない部分も多いですからそのお楽しみは、d design travel千葉の冊子を目にしていただくか、実際にヒカリエに訪れて頂くお楽しみに残しておくことして、目についたものを取り上げてみます。
小湊鉄道
千葉随一のローカル鉄道である小湊鉄道もデザインに基づいて色々と展示物がありました。
カラスのぱんやさんで有名なかこさとしさん、実は小湊鉄道をモチーフにした絵本を書かれているなんて存じませんでした。
こんな作品があったなんて知らなかった!と思ったら刊行が2016年という結構な最近ぶりに驚きます
やっぱり海
千葉県名物 なめろう
私のような東葛地域在住の人間からすると実感は薄いですけれども東京と埼玉とは江戸川、茨城県とは利根川と川で県境が区切られる上、内房の東京湾、外房の太平洋と海にも囲まれた水辺溢れる県であるということは、名物グルメのなめろうなどの海産物の他、スポットとしての犬吠埼や白浜の灯台、動物としてのかもめ等の多さもまたらしさであるように思います。
考えてみればBAY FMや千葉ロッテマリーンズ等、千葉県を思わせるものは海だらけですね。
東葛地域ももちろん特集されています
ええい近場はないのか!近場を映せとお思いの流山在住の方にはnorth lake cafe & booksなんていかがでしょう。
こちらは近場の我孫子市にあります。白樺派の愛した手賀沼湖畔の北畔にたたずむCAFE、本を片手に是非一度訪れてみたいところであります。
また松戸にあるアーティスト支援施設pardise airも取り上げられていました。
元ラブホテルを改修して「一宿一芸」をコンセプトとする、アーティストの国際的な滞在制作拠点となっているとは、知りませんでした。
松戸を取り上げる松戸のフリーペーパー フリペーパーとは思えないクオリティの高さは、松戸が掲げる芸術都市ぶりを体現していました。
他にも
チーバくんに横を向かせず前を向かせるのは千葉県民的には、すごくロック。
なぜならば外房の存在が無くなるから。
まとめ
展示を見て感じたのは、深く静かに観光を楽しむ時代が訪れつつあるということです。旅行を気軽に手っ取り早く楽するものが良いガイド本という時代は、過去のものとなりつつあるのと同様に便利なガイド本に載っている所を訪れて写真に収めることを「旅」とすることもまた終わりを告げつつあります。
その意味では、そろそろ旅の楽しみ方も一歩先のステップへ踏み込むときが来たように感じます。
旅に出てその土地土地を訪れたときの感想や感情が心に沸いてくるまでには、本来少しの時間と心の声を聞く余裕が必要になるものです。時間を掛けて手作りのしおりやメモを綴り、その土地のなんでもない表情や風景を心が感じたままに写真を撮ってみる。その土地のグルメを食べて自分なりの感想を口にする。
ガイド本の有名スポットの記載を確めるために旅に出るのではなく、自分の五感に寄り添うことを一番に考えて旅に出ることができたならば、その地で知るその街の「らしさ」はより濃いものになることでしょう。
d design travel千葉自体、文量も多いですし多くは有名なスポットを取り上げてもいません。その意味ではインスタントでお気軽な旅に向いたものものではありませんけれども、友人が話してくれる旅の土産話のような魅力が詰まっています。旅に出かけたくなる気持ちへと背中を推してくれます。
ヒカリエの展示ブースでは、先行してこちらのd design travelが購入できますのでデザインを通して千葉を知りたい方を手にとってみてください。惜しむらくは当ガイド中の流山の存在感の無さが挙げられますけれども読み物としてのd design travel 自体がかなりのハイクオリティですから一冊分でかなり満足する土産話を聞くことができることでしょう。