The Temae Miso
2022年10月11日号の流山市の広報でまちづくりの軌跡として流山おおたかの森駅と流山セントラルパークの駅の変遷が振り返られています。流山市が大きく変わるきっかけとなった2005年のつくばエクスプレス(TX)の開業から今年で17周年を迎える中、これからも「住み続ける続ける価値の高いまち」を目指していく方針と市内各地の整備の状況が綴られています。
今回、縁あって上記の写真を広報ながれやまへと提供させてもらったため今回の広報は個人的には永久保存版(手前味噌)なのですけれども、そんなの関係ねぇ方にとってもこれまでとこれからの流山の話が端的にまとめられていますので一読の価値があります。
47steps/47years
さて、来年の話でさえ鬼に笑われるように先々へと続く長い話は、一見絵空事のようで、また過ぎ去った過去は一瞬の走馬灯でもあります。
時間だけはお構いなしに流れ続ける中、想定も回想もままならぬまま、「毎日なるマモノ」にその身の流れを任せることも歳を取るとずいぶんと上手になりました。
とはいえ毎日に忙殺されっぱなしっていうのは、おじさんちょっぴり泣けてきちゃいますのでこれまでとこれからのこともやはり、どこかできちんと考えておきたい気持ちもあります。
それで今日のお話になるのですけれども、身近なものをきっかけにこれまでやこれからのことへいっときの想いを馳せることってできるような気がするんですよね。
例えばの話でいえば、流山おおたかの森駅南口都市広場の階段って47段あるんです。
時折、この階段を数えながら昇ったりするんですけれども、その1段を1年になぞらえてみると階段を昇りきるのに47段=47年かかる計算になるんですよね。さらにこの階段が完成したTX開業年の2005年を0段目(Ground line)とした場合、この駅前階段を上りきる年は2005年+47年=2052年になるんです。
この段のときに子供が生まれたんだったなぁとか、おおたかの森SCが数十年先も繁盛しているかどうか、街の空気感はどのように移ろいでいくかどうか。自分は頑固モノになっていないだろうか、まだ始めていなかったこといい加減始めようか等々、この階段を昇るたび、降りるたびにいっときでもそんなことを想う隙間が生まれるならば、毎日なるマモノさんとももう少し仲良くダンスを踊っていけるやもしれません。
そんな風にしてこの街の階段とかかわるとき、今まで経験したことのある年の段数は懐かしみ、これから迎える年の段数には将来を見立ててはマスクの下でほくそ笑むあやしいおじさんができあがるわけです。
2019年 14段目
2022年17段目
1段昇ることに様々にその光景を変えてきたおおたかの森駅前も街も17段目に入り、南口階段自体は最初の踊り場(Landing)を迎えています。きしくも駅前の開発も大型マンションの竣工、駅前の商業施設の一通りのオープンを迎えたところで様々な劇的変化を昇り切り、流山おおたかの森という街自体も同じく最初のLanding(着地点)を迎えた感があります。
2005年起点とすると今が2022年ですから段数としては17段目(17年目)。残りあと30段(30年)となります。個人的には余生があと30年くらい(あったらいいな)なリアル感もあって、この先の段数にも様々な感情が沸いてくることでしょうし、これからの移り替わりもまた1段1段丁寧に追えていけたらと思います。
今日も誰かのファーストステップ
身近なものをきっかけにということで今日は、おおたかの森南口階段の1段を1年として、期し方行く末をなぞらえてみました。
1段抜かしや2段抜かしはできない階段ですけれども、階段を昇りきった後振り返って見える街の光景が初めて訪れたときと変わりがないように、軽やかなステップを今日も刻むことといたしましょう。
また今日がこの階段のファーストステップとなる子供たちや移住者の方にとってもその47段後のステップが軽やかであることを願ってやみません。
「エスカレーター派には触れない優しさ」
流山すみずみ