音楽専科社の倒産は、90年代に10代を駆け抜けた私にとって、時代の節目や潮目を感じるニュースでした。
音楽専科社が倒産へ 「SHOXX」「Pick-up Voice」が廃刊の危機
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/20/ongakusenka_n_12111630.html
今日は、少し昔の思い出に浸りながら、柏の音楽の興隆にでも触れてみましょうか。つい昨日のことと思っていた高校生の頃の記憶が曖昧になってきていることにも時代を感じるばかりですけれど、その全てを忘れてしまう前に柏における音楽のムーブメントの真っ只中にいた当時者の一人として、往時を偲んでみたいと思います。(記憶違いがあると思いますので、その点は大目に見てください)
その昔、豊四季駅前には、柏ALIVEというライブハウスがありました。(現在も柏駅前に移転し営業中)今となっては、マンションが建っていますけれど、千葉興銀の向かいにはこのALIVEの他に、東京靴流通センターがあったり、焼肉屋やバニーガールが出てきちゃうような少しだけ怪しげなお店が入る雑居ビルがあったわけです。
爆風スランプの大人気ぶりや90年台初頭のイカ天のバンドブームの頃は小学生だったのでよく存じませんけれど、90年代初頭、XやLUNA SEAといった初期ヴィジュアル系バンドの興隆により「ヴィジュアル系」が確立され、少し遅れて1993~1994年ごろにラルクアンシエルやGLAYが注目を浴び始めたりしていました。(LUNA SEAだとROSIERとかTRUE BLUE GLAYだとRAINとかが注目されていた頃の話。)
柏のカルチェ5も新星堂が元気一杯に営業していた頃は、2階の大半を楽器店が占め、そごうのスカイプラザにも楽器店があったりしていました。まあどいつもこいつも高校生ぐらいでとりあえず楽器に手を出すのが当たり前のように「バンドやろうぜ!」だったわけで、ヴィジュアル系だと、LUNA SEAとかのフォロワーでパンク系はブルーハーツのフォロワーと言ったところでした。
それでだいたい「高校生がライブデビューする場」として今で言うところの「演ってみた」場的にこの柏ALIVEがあり、コピーバンドの下手うまっぷりを白日の元に晒す週末というのがお決まりだったように思います。(地下1階だったけど)
チケットがノルマ制で、友人の多さ=強さみたいな所があって、私たちのバンドが月1ペースでALIVEでライブするときに私はよく「自爆」していたように思います。(チケット代の為にバイト代を突っ込むという情けなさ。)
それでも健気なすみずみ少年、柏駅前の音楽スタジオ、スタジオM 3rdや5thで練習を重ねた結果、当時高校生の為のライブイベントとして日本最大級のイベントだったYOKOHAMA HOT WAVEのオーディションで横浜のランドマークタワーに行ったり、渋谷LA MAMAでのライブ等を経験していき、挙句の果てには、当時CD-Rが超高価な時代にスタジオレコーディングで作ったCD作ってデモテープを配りまくる暴挙に出たりしていました。
「いやあ若さって素晴らしい!」の限りですけど今聴くと若気の至りの極みで「くっそ下手だなー」と思います。まごうとことなく黒歴史の結晶ですね。(それもかなり純化されたっ!)
そんなヴィジュアルムーブメントも1995~1997年頃にROUAGEや深夜番組「Braek out!」によるマリスミゼル、SHAZANA、ピエロ、ラクリマクリスティのデビューやルナシー、GLAY、ラルクアンシエル、SIAM SHADE、ペニシリンのメジャー化の以後、一部粗製乱造やジャンルの細分化により落ち着いていきます。
代わりに起こったムーブメントの一つは、1997年前後、柏駅前の路上アーティストによる「アコースティックムーブメント」ステモの中にBAY FMのサテライトスタジオK-WESTがあった頃が、絶頂だったように思います。路上ミュージシャンは、ギブミーアチャンスとばかりに柏の生んだ「something else」やゆずを目指していたり、ファンとの交流を楽しんでいたように思います。
もう一つのムーブメントは同じく1997年前後、柏ALIVEを中心とした「ハードコアムーブメント」
当時柏にはハードコアバンドとして「ヌンチャク」という絶対的なバンドがあり、その日ばかりのALIVEの盛り上がりは、高校生のチャラチャラしたバンドとは全く違う、「ハードコアな夜」だったように思います。(それはもう「腹いっぱい!腹いっぱい!」な素敵な夜。)
当時ハードコアの絶対的なバンドがこの「ヌンチャク」であり、よりマスに受けていて飛ぶ取りを落とす勢いだったバンドがメロコアとしてHi-STSNDARDが位置していました。
そんなHi-Standard、そういえば柏のALIVEに来たことがありました。
ヌンチャクとのタイバンだったかどうかは忘れてしまいましたけれど、ヌンチャクとの縁で実現したような話だったように思います。
その日ばかりは、豊四季駅前にダフ屋が出たとか、チケット売ってくださいの看板をかかげたバンギャルが出現したとが、伝説の夜の話としてこうして細々しく語り継いでいきたいと思います。
時は移り現在、音楽の街柏をベースに活躍するバンドは今もあります。
注目株は「ホタルライトヒルズバンド」先日もららぽーと柏の葉でライブが行われました。
ホタルライトヒルズバンド ビューティフル
ホタルライトヒルズバンド パンザマスト
柏市民にはぐっとくる「パンザマスト」の流れる時間への郷愁が歌われています。
ホタルライトヒルズバンド 「何千回でも 何万回でも」short ver
PVが柏そごうというのが、泣けます。そうそれは、「涙で滲んだ青春を」思い出すようで。
フルはこちら
フルだとKEIHOKUとか出てきます。
柏には振り返る音楽があり、また今耳を傾けるものがあることは、素晴らしいことで、是非彼らを応援したいと思います。
「時は巡るとも、連綿と繋がれる柏の音楽を愛してやまず。」