大学というブラックビジネス 人生のスタートから借金漬けになる学生たちという記事が世間を賑わせています。
奨学金に頼らざるを得ない環境が子どもの可能性(=良い教育を受けられるか否か)すら奪いかねないという危惧を取り上げた記事です。
バズ狙いのミスリードを感じる部分もありますから、反論含め慎重に読み解かなければいけませんけれども、子育ての終盤に差し掛かる10代後半の前途ある若者に対して最大の問題でもある大学進学と奨学金制度に対して何か改善策がないかを模索したくなる気持ちにさせます。
今回の奨学金の問題から、10代に対するフォローという視点は、何か今後の人口減社会においてキーの一つのようにも思えてきます。
私が縁あって住んでいるこの流山は、TXの開業により、大きく街が変わりました。今のところ、この街を選んだ世代(=主に30代)の人口流入は順調に増加で推移していますね。
今年はTX開業11年になりますから、開業当初にこの街に移り住んだ世帯の子達(=流山ネイティブ)も中学生から高校生にさしかかろうかという時期となってきています。
「親が選んだ街」に住む子世代が、この街に魅力を感じ、彼らが親世代となり、引き続きこの街に住みたいと思う街でいられるかどうかについてもそろそろ思案が必要になってきたようにも思います。
教育に関して市では「学ぶ子にこたえる流山」を掲げてはいますけれど、PRの対象はあくまで親世代の私達です。住居の決定権を持つのは親世代ですから致し方ない所ですけれど、親の意図より自分の意志が上回る時期の子ども達に対してどんなフォローができるかという視点が必要になってきたことでしょう。
子育ての範疇を外れ、自育てが求められる10代後半の世代のフォローは希薄ですから、次世代を担う彼らに何かできることがないかを模索してみたいと思います。
「余資なく優暇なき者」に対するフォローを地域として成立させることができたら、それは街として大きなアドバンテージになるでしょうしね。
ここから先はアメリカ皇帝ジョシュア ノートン並の私の妄言です。10代へのフォローを私なりに考えてみました。
1)緩い連帯の場としての10代のたまり場を作る。
真剣10代たまり場、または柏の葉のKOILの起業家向けの施設に倣った、高校生や学生版のインキュベーター施設と言ったら良いでしょうか。塾と図書館と漫画喫茶の良いところを取ったような施設があったら面白いのではないかと思います。学童の延長という考えにも通じますね。
昨今の10代には、行き場がないように感じますから、放課後の選択肢に部活、塾、に次ぐ行き場の選択肢を提供できれば、学校の所属によらない、同世代のつながりの場を作ることができるように思います。
10代の横のつながりを作ると共に、縦の世代や地域とのの繋がりを持つ場としてボランティアワークの母体となったり、勉強、余暇を楽しめるベース基地として機能させることができれば若年代の力を地域に活かす大きなアドバンテージになるでしょう。
2)ヤング人材センター
ボランティアワークのほかにシルバー人材センターに倣うような形で、大学入学資金や学費への備えを自活するための雇用の場と就労体験の場を作ることも大事な要素となるでしょう。
人生の大事な事は座学によるものだけでは得られませんから、学生時代に就業体験と学費の捻出を手助けできるような仕組みを作ってあげることができたら面白いと思います。
奨学金の負担を少しでも減らせれば、それだけ本人の可能性を広げることにもつながりますし、雇用の確保の面からも10代の就業体験やアルバイトは地域企業にはメリットがあるようにも思います。
高校時代に私自身もアルバイトをしていた経験を鑑みると、いわゆる勉強では得られない生き方の指針を学ぶことができたように思いますし、これらの経験は人間的な成長を促すことにも通じるでしょう。但し、目先の賃金に釣られて勉強しなくなるのも世の常ですから、稼ぐだけでなく勉強のバランスが取れるよう1)のたまり場でコントロールしてあげられると尚良いですね。
1)2)の施策を持って、地域との繋がりと愛着を育むと共に、座学だけによらないボランティア、就業をとおした人間的な成長を促せるような気がします。
次世代を担う人材の育成としても、地域に一番遠い10代と新しい形で繋がることができれば、街の持続的な成長も担保できそうです。
実現可能性はまたちょっと考えてみないといけないですけどね。