知人曰く、マミーマートはピザ屋なのだと言う。
「騙されたと思って1回訪れてみるといい。」
「いやいやスーパーがピザ屋のはずなどないだろ。」
「いやピザ屋だったんだ。それもヤバイやつだ。」
「そもそも騙されたと思ってという言い草自体ずるいじゃないか。騙されたときに返す言葉がない。」
「それもそうだな。まあ行けばわかるさ。」
「行けばわかるさ。」この言葉に真理といくばくかのアントニオを感じた私は、真相を確かめるため我らが探検隊を招集し、マミーマート柏の葉店が本当にピザ屋なのか調査へと赴いた。
その先で見たマミーマートの真の姿とは!?
ここでCM
調査地点はマミーマート柏の葉店
調査地点は、マミーマート柏の葉店。柏の葉キャンパス近隣の守谷街道沿いにあるニュータウンによくある食品スーパーだ。店長が面白いとか特売がすごいなんて話を聞いたこともなかったから、どちらかと言えば地味とも言えるくらいのスーパーだ。
果たして奴の言うことは本当だったのか。
真実を求める我々は、入り口を抜け、数ある特売の誘惑を振り払い、調査地点である肉売り場と惣菜売場の間までただひたすらに突き進む。そして目的地であるスーパーの奥地に辿り着いたところで我々は、驚愕の看板を目にするのだった。
「PIZZERIAだと!」
売場の一角にピッツェリアの看板を掲げ、あろうことかイタリアンやってますと言いたげな真赤なダウンライトが照らすのは、紛うなきピザ!
焦る隊長の私をよそに同行の隊員からは、調査報告があがってくる。
「ピザ1枚500円だって!」
「ピザ1枚500だって!だって ダッテー」耳の奥まで届いた500円の響きに条件反射で安いの声を返してしまいそうになったところでなんとか踏みとどまる。
いやいや今どきのチルドピザなんて特売で250円前後なんて当たり前じゃないか。それに比べれば2倍の価格だ。安いだなんて言えないじゃないか。
踏みとどまる私に隊員から続けざまに報告が挙がってくる。
「ピザが大きいよ!」
一般的な冷蔵チルドピザの直径が22cm程であるのに対し、マミーマートのピザの直径は28cmもある。このサイズは、宅配ピザのMサイズと同じくらいのサイズではないか。
それが500円だと?宅配ピザ店の持ち帰り半額キャンペーンでもさすがに500円にはならないのにもかかわらずだ。
いやそれ安すぎるんじゃないか。何か素材をケチったりしてるんじゃないかと訝しがる私にさらなる報告が届く。
「素材にこだわってるよ!」
調査員の声へ振り向くと、そこは店内所狭しとピザへのこだわりを説明するPOPが掲げられていた。
POPには、フランスのグラント塩と生イースト菌の使用などこだわりを感じる単語が並ぶ。生地までちゃんとオーバーナイトで寝かす徹底ぶりじゃないか!
しかもだ。さらにピザの定番モッツァレラチーズはイタリア産の乳酸菌と北海道産の生乳から作るこだわりぶり。産地を明らかにするなんて大したものじゃないか!
ピザへのこだわりにひれ伏し、「もうコレ美味しいやつですやんっ!」が喉元までやってきたすんでのところで一点大事なことの気付く。
「チルドピザじゃないか!」
そうチルドピザなのだ。いくらおいしいそうでも冷蔵のピザである以上、焼き立てとろーりのあのチーズをすぐに頂くことがどできないじゃないか。
ピザを焼く手間というのは、中々に時間を取るものだからこそ、焼き立てとろーりは尊く、そして冷めたピザは冷めたピザなのだ。
「ピザ屋は焼き立てを出してこそピザ屋じゃないか!」そう納得しかけた所へ心を射抜くような隊員からのさらなる報告が届く。
「約5分でピザ焼き上げだって!」
「何っ?焼 き 上 げ だ と?」隊員からの報告に耳を疑うもそれがすぐ事実だとわかると私は、遂に観念した。
「奴の言葉は本当だった。」
「マミーマートはピザ屋だった。」
なんとマミーマートは、チルドピザをそのまま販売する他に焼き上げのサービスまで行っていた。
Pizzeria内に従業員さんがいる夕方くらいまでの時間帯なら、店内のチルドピザを焼き上げてくれる。
それも無料でだ。
「さらにだ。」
隊員に変わってここは私が報告しよう。
「トッピングもあるしカットもOKだ!」
キッチンに従業員さんがいる時間なら、ベースのチルドピザへのトッピングも1つ50円でできるぞ。
しかもカットするのが面倒なものぐさには、お好きなカット数でカットまでしてくれる。
これなら3人家族で5枚とか4人家族で7枚とか世紀末の争いを呼ぶカットもお茶の子さいさいだぜ!ヒーハー!
私からの調査報告は以上、次は君たちの番だ。
「行けばわかるさ」