2024.11.01
霜月を迎えた駅前広場の欅並木はにわかに色付き始める。
葉の一枚一枚が見せる緑からオレンジのグラデーションは、頬紅を差した薄化粧の佇まいだ。
街中の色を集めたパレットは、卯月程に鮮やかでは無いけれど、暖色を中心にラインナップされた色数で、落葉するまでこの目と心をくすぐってくれることだろう。
そして間もなく瀟洒な欅並木は、煌びやかなイルミネーションに飾られて、ホリデーシーズンに染まり上がる。
多彩であるとは、手持ちの絵具が変わり続けるからこそ宿るのだろうか、駅前の変わりゆく季節にそんなことを思う。