指先で 一振り踊る 帰り道

I ♡NY
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2024.08.26

風がそよぐ朝夕には、一時の涼しさを感じられるようになる。
雲はもくもくと白く高く、見上げた空に浮かんでいたけど、少しずつその風に流されていた。終わらない夏休みがないように変わらない季節が無いことを思い出す。


帰りがけの駅前では時期を少し遅れた盆踊り大会が開催され、去りゆく夏を踊り狂う子どもたちを見かけた。
果してこのうちの何人が宿題を終え、また何人が終えていないかを想えども、月曜日から踊り狂えるスピリットを持っているならば、いずれにしてもなるようにはなることだろう。


終わらない夏は、踊る阿呆の一挙手一投足の瞬間に宿るのものだし、見るだけではもったいないよなと、道すがら歩幅に合わせてリズムを刻み、人差し指と中指でシャンシャンと小さく打ちながら、ワイシャツ姿で家路へ向かう。
同じ阿呆ならと指の一振り分の夏のおこぼれを胸に宿す。

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