2024.03.24
2021年秋、当時、まだテレワークも推進され、在宅時間が長いこともあってステイホームを楽しむためにヤマハのパシフィカ(PAC612VIIX YNS)というギターを買った。当時Fのコードが弾けるようになるまでは、通勤時間分の生まれた余暇を使って練習を頑張ったものだ。
しかしながら、2022年には程なくして、出勤が増え在宅時間が取れなくなると、ギターを触れる時間は少なり、すっかりリビングのオブジェ化という憂き目を見ることとなった。
ここまでは、ギターあるある話でここでメルカリに流されようものなら、散財の話で終わってしまうところだったろうけど、ここ最近、呆けた顔してスマホを触るの時間を減らそうと思い立ってからギター熱が再燃して、オブジェは楽器へとその姿を戻すこととなった。パシフィカは息を吹き返したのだ。
習熟していく趣味は、インスタントな楽しみとは違って、入り口にちょっとした壁というかゲートのようなものがあることが多い。それを超えていくこと自体も楽しめるかどうか、つまるところ弾けないフレーズが少しずつでも弾けるようになる過程も楽しめるかというところが肝になるだろう。
上手に弾くのは、簡単では無いけれど、少しずつ時間を溶かしながら、一歩ずつ前進していくのは、何かの熟成や醸造のようで意外と楽しい。スマホの画面を弾いていた右手は、弾くものをギターの弦へ変え、久しぶりの習熟のある趣味の楽しみを思い出せてくれる。
これは、スマホを持つ15年前の暮らしに近い余暇の過ごし方が戻ってきたような感覚だ。