2024.03.21
駅までの道をゆくと、春の切っ先を行った彼岸桜は旬を過ぎ、華やかさのバトンを乙女椿へと渡していた。
「またお会いするまで約1年、それじゃまた。そのときまでごきげんよう。」 そう気軽に思えるのは、季節が巡るがゆえ、別れてもまた1年で会えることがわかっているからだろう。再会に確信を持てるとは、何と素晴らしい。
季節の変わり目、人との関係性の変わり目ともなると私の暮らしにも少なからず別れがある。
めんどくさがりの私は、自分から今まであまり声を掛けて来なかったのだけれど、「最近どう?」の声掛け一つで再開を期し、期せるとしたら、その声は、散りゆく桜がまた咲くことを知らせるような季節を巡る風のようになるだろうか。
柄では無いけど会いたい人が少なからず増えてくると、年長者の不躾さや「今度飲みにでも。」の本当の意味が沁みてくる。
なるほど、私にもそういう役回りが巡ってきたということなのだろう。