2022.05.06(金)GW中の平日のような休日
2022年のGWは人により3連休+平日+3連休+平日+2連休と飛び飛びの休み方をした方と間を挟む平日2日を休みにして10連休とした方、また稼ぎ時とばかり連勤の方など様々な過ごし方をされたことと思う。
長期休暇を伝えるニュースは渋滞の長さだったり、空港のターミナルで小賢しいお子様に行き先のインタビューをして「ハワイ10日間~」的なコメントを引き出した後、テレビに向かって「ガキがっ!!」のツッコミを入れるまでの様式美を堪能することができたのは、世の中が少しずつwith COVIDへと舵を切っていることを実感することともなった。
私は幸い運よく10連休を取ることができたのだけれど、この5月6日金曜日、こどもたちは平日しっかり学校に行きたいクチでなのでは朝から元気に学校へ向かっていった。
休日の主役が子どもたちに移って幾星霜、ずいぶんと久しぶりのこどもたちがいない休みの日をゴロ寝の休日としてしまうには勿体無く、こどもたちが学校から帰ってくるまでの自由時間を、同じく運よく休みの取れた家人と二人で大人の休日を過ごすこととした。
cafeわかば堂 柏の葉へ
午前中に所要を済ませ、お腹が鳴る頃向かったのは柏の葉にあるKOIL LINK GARAGE内のcafe わかば堂だ。人気店ながら待つことなく入店することができ、店内へ入ると真空管のアンプが鳴らすゆったりとしたBGMが響き渡っている。お店のガラス戸から見る借景は、薄曇りの午後のやわらかな日射しが通り沿いの木々の緑を輝かせ、柏の葉が緑の街であることを静かに伝える。シンボルと言っても差し控えのない立派なシャンデリアと調度品のランプは店内をやさしく照らし、アンティーク調の家具やポスターで彩られたこの場所が訪れる人々にとってゆっくりとした時間を過ごす場となることを願われたのだろうことが察っせられる。
子どもたちが学校に行く平日となる故か、店内は一人か二人の家族や友人連れがそれぞれに喫茶を楽しみ、会話の華を咲かせているようだった。
喫茶と料理とデザートを
画像 | メニュー | 価格(税抜) | |
上左 | 自家製レモンソーダ(左) | +セットドリンク | 400円 |
上左 | 自家製ジンジャーエール(右) | +セットドリンク | 400円 |
上右 | 国産豚肩ロースの黒糖煮 | スープ、サラダ、ライスorパン付き | 1,260円 |
中右 | 本日のキッシュプレート | スープ、サラダ付き | 1,080円 |
下左 | 夏みかんのレアチーズケーキ | +デザートメニュー | 500円 |
下右 | 抹茶のティラミス | +デザートメニュー | 500円 |
ドリンク
cafeの名を冠している通り、飲み物はコーヒーからアルコールまで幅広くその中でも目を引いたのが自家製の文字が躍るレモンソーダとジンジャーエールだった。レモンソーダには新鮮なレモンの程よい酸味が、ジンジャーエールには生姜の辛みがあり、一口すれば果実本来の爽やかさがしゅわしゅわとした炭酸とともに喉を潤す。
サラダ、スープ
炭酸の泡がグラスの上へ昇っては消えて行く様を眺めながら、束の間の二人の時を過ごしていると間もなくしてセットのサラダとスープもやってくる。
サラダには米菓子のにんじんが乗って食感にアクセントを沿えるとともに、スープはコンソメをベースに具に根菜や野菜が入り野菜の旨みを感じる素朴な味付けがなされている。カフェで頂く食事にはその味に不安が付きまとうこともあるものだけれども、わかば堂の前菜を頂いた段階でそういった不安は霧散し、メインの料理への期待が高まるものだった。
メイン
メイン料理は2人で国産豚肩ロースの黒糖煮と本日のキッシュプレートの2種を頂く。
国産豚肩ロースの黒糖煮は、人参を丸々一本煮込んだ見た目のインパクトもさることながら、人参本来の甘味と黒糖の甘味のベースが肩ロースの肉の旨みを丸めるような役割となっていて、上品な肉料理を食べているようだった。肉じゃがの旨みに感じるような甘味よりも甘さは控え目でいながら、肉肉しさの角を取るには十分な仕上げになっている。
本日のキッシュプレートは、キッシュそのもののカットが大きめなことに加えてパンとベーコンのキンピラ等2種類の副菜が付いているので男性の方でも食事として満足できそうなものだった。キッシュの具の中にはさつまいもとキノコが入っていて、しっとりとしたさつまいもの食感とその甘さが美味しさを引き立てている。キッシュの1カットだけでもお惣菜屋さんのキッシュのお値段と同じくらいのものもあるだろうから、質優位のコスパとしてもこのプレートは目を引くものがあった。
デザート
久しぶりのリラックスした2人の会話は簡単に尽きることは無く、お腹と子どもたちの帰宅までに若干の余裕を残していたので食事の後デザートも頂く。
夏みかんのレアチーズケーキ(メニュー名うろ覚え)と抹茶のティラミスも食事の終わりを締めくくるには良い余韻を残すもので抜かりのないクオリティに溢れている。
柑橘系のフルーツとレアチーズケーキを組み合わせる鉄板の組み合わせは、さっぱりとした爽やかさとレアチーズの軽い食感と柔らかなコクが相まって1+1=2以上となるマッチングは見事だったし、抹茶のティラミスも抹茶のほろ苦さが新緑の季節を思わせるものだった。
貴重なときをタイムレスに変えるもの
わかば堂で過ごした緩やかな時間は、家人と2人で訪れるシチュエーション自体が稀な私にとって非常に貴重な一瞬となった。お店に漂うタイムレスな雰囲気は、いつぞやの若い二人を今その瞬間へと繋ぐ記憶のリンクのようでもあって、喫茶店が持つ(と個人的に思っている)外部記憶媒体っぽさが強く感じられる場所に感じられた。話すことが少し貯まった大人がその休日を使って思い出話に華を咲かせる場所と言ったら、このお店の雰囲気が少しは伝わるだろうか。
わかば堂WEB