初石駅から徒歩約10分、西初石小学校と流山おおたかの森高校に挟まれた一画に西初石小鳥の森と名付けられたスポットがあります。
西初石小鳥の森
その「小鳥の森」の名の通り小鳥の観測スポットとして有名な森です。また下総台地の典型的な谷津田の斜面にあるため、流山市内でも屈指の緑道歩きを楽しむことができる森ともなっています。
緑道といっても端から端まで歩けば5分程のそれは小さな森です。それにもかかわらず思った以上に森の中は深い木々に囲まれており、そこには筑波山等と同じ郊外の山の雰囲気が薫ります。お手軽な登山気分はもちろんのこと、ほとんど人が通らない道中に何ならちょっとした遭難気分さえ味わうことができます。
深い森あります
この森の中に入ると周りにほとんど建物は見えず大げさに言えば文明から遮断された感覚になります。
それは整備された公園の木々や街から遠目に見る森をナチュラルだとか自然がいっぱいだとか都心から一番近い森の街だとか言って「ごめんなさい」と言いたくなるようなリアルな感覚で、ああそういや森ってホントはちょっと怖かったよなあと自然への畏怖が蘇ります。
湿地あります
緑道を少し歩き谷津田の傾斜を下った谷側には、湿地が現れます。きっと小鳥たちの水飲み場として憩いの場となるのでしょう。森の中には木々のざわめきと小鳥がどこかで鳴く音が聞こえるばかりで都会の喧騒はなんとやら。ここまで来ると空も開けますし、隣の流山おおたかの森高校の敷地も見えてくるのでグッと和やかな気分になってきます。
何ならこの光景にナチュラルだとか自然がいっぱいだとか都心から一番近い森の街だとか言いたくなるようなリアルな感想を持たれるくらいに。
まあ喉元過ぎればなんとやら。
閑話休題。
なんかいます
この湿地、夏場の夜に訪れると蛍を見ることのできる場でもあるのですけれど、夜は全く灯りがなくて何かに遭ってもおかしくないくらいのホラー感が出ますので夜間のご利用は計画的に。
ちなみにこの森で何かに遭うの筆頭はもののけではなくクマ。ガチのクマ。その名もアライグマ。なので見つけても近寄らないのが良いです。噛み付かれたらたまらないですしね。
そんな湿地には湧水があり湿地の水がチョロチョロと心地よい音を立てて流れる小川となっていました。自然豊かな良い音がこの森にはまだまだ残っているものです。
とはいえ、流山市の発展にともなってこんな森近くにも開発が及んでいるのもまた事実です。今回訪れた際には山側の入口のすぐそばまで重機が入って土地を馴らしていました。
また私が訪れた時には、珍しく狸が1匹住宅街から森の中に駆けて行くのを見かけましたから、この森の中で狸に遭うことも不思議ではなさそうですね。
令和も2年になってなんですけどこの光景にはリアルな平成狸合戦ぽんぽこ感がありました。森を切り拓いて街を作っていく現在進行形の瞬間と変わらない深い森の絵画のような光景。対比が利いていてこの眼に収めるのも良い眼福となりました。
リアルな森が気になったら是非一度森の中へ。