緩やかな日曜の午前、何もないを由とする大人に対し、こども達はどこかに連れて行ってもらいたげな視線を頻繁に送ってきてくれます。マトリックスばりのエビ反りをかましつつ、その視線をよけ続けていたものの、午前11時半あえなく「着弾」。妻が昼ご飯を作る間、娘たちを連れておでかけしてきました。
行先は、最寄りの図書館、おおたかの森こども図書館です。
図書館に直行では、早い帰りとなってしまいお昼のおかずが一品減りそうでしたから、おおたかの森小中学校を一周ぐるりと遠回りの散歩をすることとしました。
おおたかの森小中学校を一周すると、おおたかの森という街の色々な側面が見えてきます。
それは、街と森の境界だったり、子育てと教育のことだったり、今後の開発への期待だったり。なんというかまあ「由無し事」ばかり、空模様のようにもくもくと浮かんできます。
そんなもくもくが浮かんでくるところも含めて、きっと私はこの一周りが好きなんだろうなあと思います。
腹減らしも兼ねて図書館とは逆方向になる市野谷の森の入り口へ足を向けると一つ、目新しい看板を見つけました。
近づいて見ると「おおたかの森みんなの広場」と書いてあり、脇には広場が一つ。
敷地は、おおたかの森小中学校の脇に申し訳なさそうにちょこんとあって、まだその存在をよく知られていないようような所在無さがありました。かくれんぼなら、上手に隠れすぎて見つけてもらえないようなそんな所在無さです。
奥ゆかしい印象に不釣合いの「みんなの広場」の名前。なんだか入学したての子が声を掛けたくても掛けられず、もじもじしているようなそんなシャイさに似ていました。
早くみんなにみつけてもらえるように、私達みんなで「みいつけた!」っと言っておいてあげました。これできっとみんなにもみつけてもらえることでしょう。
森を抜けながら、新生活の始まった娘たちのあれこれの話を聞きながら、のんびりとお散歩を楽しみます。
小学校へ入学したての長女には、友達が11人出来たこと。幼稚園に入園したての次女にも「知らない子」の中から構ってくれる友達が1人できたこと。好きな授業や朝のバスのこと。とりとめもないけれど、一生懸命にたくさんの話を聞かせてくれます。
どうやってそんなにたくさんの友達ができたかを長女にたずねてみたら、「おなまえなあに?ともだちになろう」で友達になったと言っていました。「とても素敵な魔法の言葉を持ってるんだね。」と褒めてあげたら、とっても照れていました。
少し遠回りをして着いたこども図書館で本を借りて、帰る前にトトロにぱんぱんと手を合わせて挨拶。ちょうどお腹も減ったところでうちに帰ります。
これは、たんぽぽの綿毛が舞う春、とある日曜日のとある散歩のお話。
「その照れた顔はお母さんにそっくり」