八木の森はええよね。
私が幼少期に通った八木幼稚園は、その時を40年程過ぎた今も変わらず流山市八木の谷津田の一角に佇んでいます。
八木の森ではカブトムシやクワガタを採り、近くの用水路ではザリガニを釣る。森の中には段ボールを敷いていっちょまえの秘密基地を作るなんていうどうぶつの森のゲームみたいなことをリアルでしていたことを懐かしく思います。当時、近くの怪獣公園の怪獣たちの塗装は今よりももっと青々としていましたし、今は封印されている(はず)の長崎小の長い長いすべり台が現役だった昭和時代の昔話です。周辺の森や雑木林は、「ぼくたちの庭」で、今でいうところの「プレーパーク」であったのだろうと往時を振り返るとそう思います。
園を囲む一帯の森や田畑は、TX開通の開発を経てもな森のかなりの部分を残していて私にとっての流山の原風景がさほど変わらずに残っていることを嬉しく思う一方、変わってしまったこともいくつかあります。
それは子供のときには触れていたはずの虫がすっかり苦手になってしまったということ。
今日はそんな虫苦手な大人を救う取り組みを取り上げることと致しましょう。
流山に住む限り、森は切っても切れない関係よな。
流山に住む限り森の名を冠した街とは切っても切れない仲であるのと同様、そこかしこに残る自然や森と関わりを持たずに住み続けるのは、難しいものがあります。何ならちょっとした後ろめたさと不自由さを感じるくらいに。
これがもっと港区や江東区だとかのタワマン住みだったのであれば、アーバンライフ万歳!と森の存在すら無かったことにできるんですけど、流山という街に住む限りにおいてはそうも言っていられません。何しろこっちはアーバンライフどころかアーバンパークラインが走る田園都市で「都心から一番近い森のまち」を謳っているのですから、整備の行き届いた森が市内にはリアルにまあまあの数残っているわけです。
そうすると何が起きるか。こんなことが起きたりします。
「ママー! 園のお友達がこの前、おおぐろのもりに行ったらすっごいきれいだったんだって!」
「そうなんだー。すごいねー。」
「でねー僕もいきたい。おおぐろのもりー」
「おおたかじゃだめ?」
「おおぐろがいい。虫も採りたい!虫!むーし!むーし!」
「虫か。虫かー…。」
流山すみずみ ムシカ・ムシカー
よそからもらってくる森の誘いのビックウェーブと謎の虫ニーズ。それはまるで40年前のおじさんが園児だった頃のムーブを繰り返すポリリズム。流山に流れ続けるこの虫ニーズは虫がすっかり苦手な大人にはやっかいですけど、子どもにとってはきっと恋だね。知らんけど。
鷹森探求標本室が起こすパラダイムシフト
こどもの思いをポキポキと折ることなく、何とか森へのピクニック成功させるためには苦手な虫をどげんかせんといけないわけで、虫が苦手な親御さんとしては森に立ち入るのに苦心することがあるかもしれません。
もしもそんな虫苦手な自分を何とかしたいとお思いでしたら、今日取り上げる鷹森探求標本室さんのワークショップイベント「昆虫嫌いなママさんのための昆虫教室」をおすすめしますので参加を検討されるとよいでしょう。
鷹森探求標本室WEB https://mushikiraimama.wixsite.com/mushi/studio
近々では下記予定で開催が決定しています。
- 12月7日(水)13:30~15:30
市野谷自治会館
千葉県流山市おおたかの森西2丁目6−13
大人 1,000円 子供 800円 - 12月11日(日)13:30~15:30
かまくらカフェ
千葉県流山市おおたかの森南1丁目22−28
大人 2,000円 子供 1,300円
かまくらカフェさんのバスクケーキと飲み物付き
実際にワークショップに参加したことがある経験からするとこちらのワークショップ、非常にアカデミックで面白かったです。最初想像してたのは、「虫どこまで触れる?」的に実物のアリんこから少しずつ虫度を上げて変な声出るまで虫攻めされるスパルタンな展開かと思ってたんですけど、この予想はいい意味で裏切られました。
実際にワークショップ中に実物の虫はまったく出てきませんでしたし、虫に対する認知の変化のためのきっかけ作りがメインとなっています。つまるところ虫に対する認識のパラダイムシフトにフォーカスされているのです。
また進行の上手さ、話の面白さは目を見張るものがあります。人は何を一番恐れるかを問うたとき、無知を恐れると云われています。ならばその得体の知らないもの(=むし)を知ることから始めるという至極真っ当なアプローチは、日常生活にも応用の効く非常によい考え方を教えて頂いたように思います。
最後になぜこの記事を書くきっかけになったかがわかるワークショップ参加時の私のアンケート回答を置いてお開きと致しましょう。
「寄せてきた。」
教室に入って鷹森探求標本室さんをひと目見たときにその気合の入り込みぶりを服装から察する。
私はもう随分な大人だから、着たいものを好きに着るのがその人らしくて素敵だと思っているし、「その服装、昆虫に寄せてきましたよね?」なんて野暮な事は聞かない。
でもキレイなミントとパープルの差し色は、推しのゾウムシ的な何か的な何かだったのだろう。出来上がった撮影写真を肴に目を細めて思い返しているとせっかくだからやっぱり聞けば良かったかなあと自省しているところです。(今度教えてください)
肝心なワークショップそのものは目尻の笑い皺をまた一つ刻めるような楽しい時間だったのは言うまでもなく、他愛の無いこともハイ!ハイ!!先生ー!と聞けるような朗らかな良い雰囲気だったようにも思います。
学校の理科や生物の先生が鷹森探求標本室さんのような話しぶりや立ち居振舞いだったならば、どれだけ多くの子どもたちの可能性の扉を開けることにつながるだろうかと思いましたし、内容もさる事ながら「あのー」や「えーと」等の有声休止も一切無く対話式で進む進行の上手さには感心するばかりでした。内容についても昆虫が苦手だったり嫌いだという気持ちの根底にある恐れの元を「面白く知る」ことで和らげようとするアプローチは、会の当初に予想していた「とりあえずいっぱい昆虫触ってみましょうかグヘヘ」みたいな手ぐすね引いてくるパターンの予想の斜め上を行っていたし、それでいて昆虫の実物がなくても成立する構成(拡大してみる、デザインで見る、機能で見る、じっくり観察)のアプローチはユーフラテス的Eテレアプローチ(デザインあ、ピタゴラスイッチ)みたいなエッセンスがあって流山キッズ&パパママには受けるでしかしっ!と思いました。
準備された膨大な写真や資料を思うにこれを1回で終わらせてしまうのはあまりに惜しいですからぜひぜひ続けて頂けたらと思います。そしてその際にはクセの強い告知でもよければご協力させて頂きたく。
アンケートに長文回答するのがマイブーム
最近は、声をかけて頂いた方のことを知ることに努め、そしてその方の思いに報いることを続けています。そんなことを続けていくと、輪が少しずつ広がっていく実感があって毎日は少しずつ楽しくなったように感じます。
「自由に書いても良いよ」と言って下さったので、ありがたく自由に書かせて頂きました。その懐の深さに感謝するとともに、少しでも興味を持った方がいらっしゃれば是非参加のご連絡をして頂けたらと思います。