夏が中々来ないと言っていた7月末の懸念はどこかへと霧散し、室内の温度計を見れば20年前の流行歌のように「39度な日のとろけそうな日」を迎えているのが今夏となるでしょうか。
お盆が過ぎ去って1週間ほど経ちました。
私の家では、お盆では実にお盆らしく送り火を行いご先祖様との束の間の時を過ごすことができました。送り火のお墓ですれ違いざまに古い屋号でおじちゃんに話しかけられると土地に長くいることの歴史を感じるものでしたし、その後に「あの人誰だったっけ?」と誰も誰かがわからず、必死に記憶の糸をただろうとするあたりに地縁もまた緩やかに消えつつあることを想います。
子どもたちの夏休みはCovid-19の影響で短縮夏休みとなりました。文字通りの短い夏となり、市内の学校は今日8月23日が夏休みの最終日となります。これには8月31日になったら本気出す勢のこどもたちにとっては、「誤算」だったことでしょう。宿題残しておく派にとっては8月23日が最終日と言われても本気が出ない感(=まだ慌てるような時間じゃない感【誤用】)があります。
夏休みの宿題自体は、短期の夏休みとは言え例年以上のボリュームがあったようですから、この後に及んで宿題が終わっていないボーイズ&ガールズは正しく腹をくくるか又は、現実逃避を決め込むか若しくは何番煎じかの今時の自由研究にしてしまうのも乙かもしれません。
この夏にした花火は例年以上に諸行無常だとか万物流転だと変わりゆくことを意識することとなりました。今まさに時代の変わりゆく瞬間の傾きを見ているような気分もある中だからこそ、瞬く間の記録や記憶を留めておくことに後年へ続く価値があることでしょう。
夏が来て、夏が行ったその間にどんな瞬間があったかをできるだけ留めておくこともまた、その瞬間のストーリーを掘り起こすことにもなります。それにはきっと良い事もあるでしょう。
すれ違ったおじちゃんの名がパッと浮かぶくらいには。
夏は来て