大堀川沿いを走り回っていた鼻たれ小僧も歳を取り、気付けば30代。旧友とも酒を酌み交わす年齢となってきました。柏で生まれ育ち、多感な時期も柏で過ごした手前、お酒を覚えたのも当然柏でした。
振り返ってみると、酒を飲み始めた頃は友達同士と「ウェイウェーイ!」とはしゃぐようなありがちなハイテンションだったかなあと思います。今考えると大分恥ずかしいものですね。
チェーン店には友達と。小洒落たカフェは彼女と。そのときどきの年齢やシチュエーションに応じて「ふさわしいお店」というのは少しずつ変わってきたように思います。
つい先日、小学校から25年来の親友と二人で語らう機会がありました。気付けば二人とももう立派な大人。二人で静かに語らいたいという思いから、選んだお店は柏にあるオーセンティックバー「Bar TACT」でした。
こうしたオーセンティックバーの扉を開ける時が来たと思うと、年齢により人は変わっていくものだということを実感しますね。
authenticには、信ずべき、真正なという意味があり、オーセンティックバーと言う場合、伝統的なバーを意味します。
仄暗い店内には、控えめながら洒落たBGMと蝶ネクタイを付けたバーテンダーが氷を削る音が聞こえ、重厚なバーカウンターとテーブルが数席あります。
こじんまりとした店内には、所狭しとお酒のボトルが並べられています。ボトルを眺めるだけでもそのラインナップにお酒好きにはたまらなくなります。
ウイスキーにおいてはスコッチ(シングルモルト及びブレンデッド)、バーボン、ジャパニーズを代表する銘柄がきちんと年数別に揃っています。
もちろんカクテルやブランデー等も充実しています。
語らいに合わせるはウイスキー。そしてチェイサーの水も。
ブレンデッドの王道シーバスリーガルを年代別に楽しんだり、ウイスキーのロールスロイスたるマッカランをう頂いたりと私にとっては贅沢な時を過ごさせて頂きました。
ジャパニーズでは新進気鋭のイチローズモルトも取り扱いがあります。
フードメニューもお酒に合うものが揃っています。私たちはスモークサーモン、ミックスナッツ、生チョコ等を頼みました。中でも生チョコは、口どけが良く、またウイスキーに非常に合うものでした。お酒だけでなく料理のレベルも一流にあります。
都内のホテルで10年間修行を積んだバーテンダーとシェフによるお店ということもあり、お酒、料理、サービス、雰囲気の全てのクオリティが一流のバーだと感じました。ホテルのバーと同等かそれ以上といって差し支えないでしょう。
私の来訪時は、3杯のウイスキーと軽くつまみを頼んで一人4,000~5,000円のチェックとなりました。
落ち着いた贅沢な時間での友との語らいは、ただただ至福の時でした。
背伸びも気負いもなくこうしたBarで友人と語らうことが楽しめるようになったと思うと感慨深いものがあります。ウイスキーと同様に人としてのエイジングも少しは進んだかなという気持ちにもなります。
時に一人で、または二人でしんみりと。紳士淑女のたしなみとしてこうした素晴らしいオーセンティックバーを訪れてみるのも時に良いものです。
Bar TACT
http://www.bar-tact.com/