ベッドタウンで感じる距離感を縮めるアプローチ

ベッドタウンで感じる距離感を縮めるアプローチ

この冬の時期、平日の日中を勤務先がある都内で過ごす私のようなサラリーマンは、日の出る前に家を出て日暮れた後に家に着く毎日を送っています。

夜明けの頃。おおたかの森北交差点

 

朝、日の出前の仄暗い流山の街を後にしてつくばエクスプレスに乗って都内へと向かい、日中は日々の仕事をこなす。そして街に戻る頃にはとっくのとうに日が暮れて夜の帳が下りている。という日々の繰り返しに文字通り、日中に自分が住む街に自分がいないことの所在の無さのようなものを感じることがあります。

ベッドタウンの暮らし

 

おおたかの森東口コンコースに射す朝日
夜明けとともに街を後にする日々

 

勤務先とマイホームとの位置関係が朝夕で分断される位に物理的に距離が離れているという事実は、主人公たる自分の人生の表舞台は仕事の場所にあり、住まいは楽屋のようなもので、寝に帰るくらいの場所があればいいう主従関係を当然のものとして、2つを「点と点」に分断してきます。働く場所と帰る場所がそれぞれ点(=スポット)として分断されている事実は、街と自分自身が心的にも距離が離れていると思わせる距離感を生む理由の一つになっているかもしれません。

この些細な距離感に目をつむれば、ベッドタウンでの暮らしはその名の通り、それはまるで夜空に見上げる星と自分との距離を知らずとも暮らしを続けていけるように、「働く」と「住む」の2つの世界が離れていても「そういうものだから」で暮らしていけますし、高度に発達した直線的でいて効率的な日常生活は、この現代の郊外的な生活のスタイルにも良くマッチしているようにも思います。

距離感を縮めるアプローチ 自己実現編

とは言え、この距離感を些細なものとして片づけていいものかと言えば、全然些細そんなものじゃないですよね。

やはり、街と自分自身の間に距離感を感じることがあるならば、しっかりと自分のものさしで測っておいて、できればその距離を縮めておくことが、ベッドタウンでの暮らしの満足を呼ぶきっかけにもなるでしょう。
ものさしは千差万別である事は言うに及びませんけれども市内で言えば、この距離感に対してのアプローチには、いくつかの試みがあるように思います。

母になるなら流山市

まずは流山市公式のPRサイト「母になるなら流山市」http://www.nagareyama-city.jp/ ですね。
ここでのアプローチは流山市内で自己実現を達成したアプローチとなります。
流山市内在住の実際の女性が、なぜ流山という街を選んだかに至ったか、この街とどういった関わりを持っているかが実例とともに丁寧なインタビューで掘り下げられています。ここに出てくる方たちには、それぞれに悩みがあり、移り住んだ理由があり、街への関わりや折り合いをどうやってつけていったかの自己実現の過程が見えますので、この街で距離感を縮めた成功例として参考になります。
基本PRですから、このストーリーに出てくる方は正直盛った印象があるのは否めませんけれども良い事ばかりと批判するのではなく、行間を読んで参考としましょう。

T-rist

流山市内で働く場所作りをすすめるT-ristのアプローチは、距離感を感じる原因、「距離」そのものを縮めようとするアプローチです。
都心企業のサテライトオフィスとして、市内の雇用を増やすことを掲げ、有能な人材が距離を理由に諦めることがなく輝けるようにする試みは、非常に尊敬ができます。代表の尾崎えり子氏は、働き方改革の先駆者の一人としてメディアに取り上げられることも多いですね。実例として出てくる人選が女性ばかりなのは、それだけ日本社会が女性に厳しく、女性もまた距離に縛られているというを事を端的に示してもいます。流山からサテライトオフィスやリモートワークで日本を変える試みとしても注目です。

距離感を縮めるアプローチ 所属欲求編

アプローチとして上記の事例を2つ上げました。やはり努力して自己実現をはかっていった皆さんは、とても参考になりますけれども、「そこまで努力しなくちゃ距離感って埋まらないものなんですか」とものぐさ界隈からの突っ込みを受けることに備えて、ここはもういっちょ、頑張らない距離の縮め方にも言及しておきたいと思います。

友達をつくる=人を知る

すごく簡単で効果的なアプローチは住む街に友達を作るという事になるでしょう。地方から都心へ立身出世を目指し、流山にそこそこの成功を持って住宅を購入した方にとっては、知り合いや友達の少ない方も多いかもしれません。玄関の内では明確に区切られた個人主義の快適さを感じつつも、玄関の外の世界が見知らない灰色の光景のまま年月を過ごしてしまっては、街との距離感は埋まるものでもありません。
自身や子どもの成長に応じて出会うライフステージによる機会や、趣味を通した出会い、昨今はSNSを通じた機会など、友達を作る機会は望みさえすればいくらでも転がっていますから、所属する場を作る試みとしていずれかにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

街の広場PIAZZA https://www.lp.piazza-life.com/

流山・柏の葉地域を取り扱う地域SNSのPIAZZAもローンチされてからしばらく日が経って、投稿者や新規登録の方WELCOME、教えてなどの各投稿も増えてきたように感じます。自己実現キラキラ枠と飯と子どもの写真が流れてくるfacebookともネタと不平が流れてくるtwitterといったこの世の2大ガンジス川とも違う、第3の「地域性」に特化したアプローチが、地縁から始まる緩い繋がりを提供し続けることができれば、ベッドタウンでの暮らしはすころぶる面白くなるように思います。私もPIAZZAにアカウントがありますので、よろしければフォローください。
利用者に左右されて地域の広告のお知らせに染まって終わるか、真に街の人が集まる場になるかの動向を見届けつつ、もう少しPIAZZAにも力を入れてみたいところです。上手く友達を探せれば、流山の街との距離感を縮めることにもなるでしょう。

散歩してみる=街を知る

ものぐさ界隈で言えば、圧倒的に費用対効果が大きいのは、散歩です。できればスマホのカメラでも持って記録を残すと尚良いです。

西日の射す流山おおたかの森駅

 

例えば夕方、夕陽に包まれる住む町の姿を目にする機会があれば、それを記録に残しておくといったものです。私たちサラリーマンにとっては夕方の自分の街を目にすることは極端に少ないですから、そんな光景を眼前に迎えられたとき、その有難い時間の幸せは、夕陽のオレンジ色とともに鮮明に刻まれるというものです。

毎日はそんな積み重ねです。そして、そんな積み重ねを唯々積み重ねるだけでもこの街に自分がいることの証として記録が残っていきます。

この記録見返したとき時、心のどこかにはそれは思い出を伴う記憶となり、街との距離感を縮める大きな感情、愛着が生まれるようにも思います。
散歩やそのときの記録がフックとなって、「わたしここにいるよ」が醸成されるという考えです。
その場が点から、線に、面へと増えて形を変えいけば、その光景は最早、玄関で仕切られた「うちとそと」ではなく、どこまでも「うちのまち」となり、感情もまた深まっていくことでしょう。

目をやれば駅構内には西日に照らされるステンドグラス

 

おおたかの森西口に射す夕陽 これもまた愛着になる。

 

生来のものなんでしょうけれど、私は日の射す時間と日の沈んだ時間のコントラストが「好き」です。ただ好きなだけでそれを積み重ねていった結果、不思議と不思議、うちのまちという感覚=愛着が生まれていったように思います。
静から動へ変わる朝も、動から静と変わる夕方も、日暮れを迎えマンションの各部屋に少しずつ明かりが灯りまるでテトリスのブロックが増えていく様も、その光射すところに一つ一つにかげがえのない暮らしがあることを知るということ。それが気づきであり、愛着となるならば、散歩程お手軽な距離感の埋め方もないように思います。

最後に

今日の記事の各アプローチにおいては、はてなブログの熊代亮氏「シロクマの屑龍」の下記記事と執筆本「認められたい」を参考とさせていただきました。
今回のポイントとなる距離感を縮めるという考えにおいて大きな部分は、所属欲求が占めているのではないかと考えています。

しかしながら、自分の住む町での距離感を埋めたいとして調べて出てくる地域の話は、何かを実現したキラキラとした自己実現にかかわる話ばかりで違和感を感じる部分がありました。私たち庶民の満足の仕方において、今必要なのは、何か事を成す自己実現よりもやんわりとした共感の場、所属欲求を満たすことの方だと思うところがあります。

それもできることなら「不満」などネガティブさによる共感ではなく「好き」による共感で繋がるという部分にクローズアップしなければなりません。そうでなければ何かを常に問題化するための徒党を組むだけで地域が疲弊しますからね。旧来のしがらみであった地縁を上手い形て復活し、例えば「いいね!」のエッセンスを加えてアップデートすることができるかどうかが、これからの郊外ベッドタウンにまつわる一つの課題でもあるように思います。この辺り、シビックプライドと言われるものが何から生まれるかにもつながる話ですね。

散歩する位の関わりから地域での所属を生み、距離感を縮めることができるかどうか、この辺りモノ好きの地域情報の発信でできることが存外にあるのかもしれません。私の目にする散歩の光景に同じことを思う人がいれば、緩やかな所属が生まれるかもしれないわけですしね。

(参考)

【たすけて!所属欲求!】1.承認が足りないおじさん・おばさんは所属しろ!

 

 

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